以前住んでいたベルリンに比べて自分の住んでいる町には、
物乞いの人の数はかなり少ないんですが、
それでも時々遭遇します。
この間、バスステーションでおじさんが、
「20セント」と言いながら手を出してきました。
ですがその時ちょうどバス通っていて、騒音が大きかったので、
本当は聞こえたんですが、NOというのは気が引けたので、
騒音のせいにして聞こえないふりをしていました。
そうしていると、おじさんも騒音さえクリアできれば、
お金をゲットできるかもって思ったらしく、
「20セント!」の声がだんだん大きくなってきました。
それでもまだ騒音で聞こえないふりをしていると、
最終的には「トゥエンティーー!」と
絶叫と言っていいくらいの声になってしまいました。
その勢いに押された自分はつい反射的に「NO」と言ってしまいました。
これまで(時間にするとほんの40秒くらいのもんですが)
一応騒音で聞こえないという体でこっちは演じてきたし、
向こうも本気を出し過ぎたのが恥ずかしかったのか、
なんか気まずい雰囲気が2人を包み込み、
そのままおじさんは寂しそうに去って行きました。
そのおじさんは、町のいろんな場所でよく見かけるんですが、
気まずいので、すれ違わないように注意していました。
こっちはアジア人だし歩いていると目立つので、
たぶん気づいてはいるだろうけど。
お互い知ってるけど、"知り合い"ではないので。
ところが今日の朝、角を曲がったところでそのおじさんに遭遇してしまいました。
3m先くらいから歩いてきたので、避けようもなく直進しました。
おじさんは顔色かえることなくこちらへ歩いて来て、
すれ違いさまに、ものすごく小さい声で「おはよう」と言っていました。
今日から”知り合い”になったようです。
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